株式会社ブイエムシー

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CarSim誕生まで

車両運動担当時代④-制御システムとの連動(1996年)

今回はいよいよ制御システムとの連動に取り組んだお話です。

ミシガン大学交通研究所(UMTRI)との提携により、AutoSimを使った車両運動モデルとユーザーインタフェースを開発した後、制御システムと連動させる仕組みを検討しました。実車を制御する制御システムと車両運動シミュレーションモデルを連動させるには、2通りの方法が考えられます。制御システム側は実機(ハード)で車両側はモデル(ソフト)を使うHILS方式と、制御システム側も車両側もモデル(ソフト)を使うSILS方式方法です。私はどちらの方法も試してみることにしました。HILS方式は、実車搭載のABSのECU(電子制御ユニット)とPC上の車両運動モデルとをリアルタイムで同期させることで実現しました。そのためのインタフェースとして周辺回路ユニット(ハード)を新たに作成しました。尚、ブレーキ油圧回路とセンサーはモデル(ソフト)で作りました。

ABS_HILS試作機.jpg

ABSHILS試作機


一方、SILS方式は、ECUの機械語で書かれた制御プログラムを読み込むマイコンモデルと周辺回路モデルを含め全てソフトで作りました。
両者とも手作りでしたが、これらを使ったシミュレーション走行試験では、当時実績があったABSシステムを使った実車走行試験の結果とよく対応の取れた制御波形を得ることができました。
頑張って作った甲斐がありました。

これでAutoSimを使って作成した車両運動モデルはABS制御ロジックの検討に十分使えることがわかり、制御設計者が自ら実車試験の代替えとしてシミュレーションで使えることを確信しました。

次回はいよいよ今シリーズ最終回、CarSimの誕生についてです。

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