初めてシリーズ
初めて②-可搬型ドライビングシミュレータを初めて試作(2001年)
「初めて」シリーズ、今回はドライビングシミュレータ試作です。
2000年当時、研究開発用ドライビングシミュレータ(以下DS)は大掛かりな設備を必要とするもので、主にドライバーの運転操作を解析研究するために使われていました。
「今後DSは運転操作の研究だけでなく、制御システムの研究開発用途でも需要が高まっていく」と予測していた私はCarSimの車両モデルを使って安くて手軽なドライビングシミュレータを作りたい、と考えました。
それまでのパソコンでは計算速度やグラフィック能力が不十分で、ドライビングシミュレータの実現は困難でした。
しかし、格段に機能性能が向上したデスクトップPCが登場し、いよいよ実用化に向けて動き出すことにしました。
まず、高速グラフィックボードを搭載したデスクトップPCにゲーム用ハンドル装置をつけてCarSimの車両モデルで動く可搬型ドライビングシミュレータを試作しました。
そしてCarSim標準版ではできなかった「外部からの運転操作入力」の問題は当時のCarSim Source版を使ってCarSimのソースコードの一部を書き換えることでクリアしました。次にハンドル装置と同期させ、運転席から見た手作りのテストコースとメーター類をリアルタイムに表示するということを、1台のPCで実現しました。
ついにCarSimの車両モデルを使った手軽なドライビングシミュレータが完成しました!!
第1号のドライビングシミュレータ
現在CarSimのオプションとして販売されているCarSim DSには、この時のノウハウが生かされています。